この下剤は、内視鏡検査のための下剤で腸管洗浄剤といわれるもので、通常の便秘薬で処方される下剤とは異なります。1時間以内で飲んでいただくことで、消化管の中の食べものを洗い流します。この間トイレに5~10回程通いますが、腹痛などはほとんどなく、吐き気や嘔吐がみられることもありますがこちらも極めてまれな事です。
当院ではペットボトル1本(0.5L)ほどの下剤と水を1L 飲むだけの楽な検査を行っております。
2Lの下剤を飲まずに苦痛の無い検査を行います。

当院では腸管洗浄液、3種類をご用意しています。


こちら(上記)の表をご覧下さい。
1998年代以前の腸管洗浄液は、2.0リットルの大量の下剤で、飲むこと自体が苦しいという声がたくさん聞かれました。
時代を追うごとに味や量も改良されてきています。
モビプレップとサルプレップは、高濃度の薬剤のため脱水を防ぐために、それぞれ0.5リットル、1.0リットルの水を1時間以内で飲んでいただきます。サルプレップは、少ない量で洗浄効果が優れているのが特徴ですが、高濃度の薬剤のため、味が濃厚で腎機能障害のある方には注意が必要です。濃厚な味が苦手な方には、比較的飲み易いスポーツドリンク味のマグコロール酸をお勧めしています。腎機能障害がある方には、モビプレップを使用しています。

大腸内視鏡は、長さは約1m30cm。肛門から盲腸まで入るように軟性の管でできています。内視鏡の先端には、レンズがついており、このレンズでとらえた画像をモニターに映しだし検査を行います。
内視鏡の太さは約11mmですが、この中にポリープを切除するためや腸管の中に残っている便を吸引する約3mmのトンネルがあり、腸管の中に空気を入れたりレンズ洗浄のための送水口もついているため、細い内視鏡でポリープを発見でき、更に治療まで可能となります。


大腸内視鏡の太さは、機能の装備によって様々です。
当院では13.2mmの拡大内視鏡を主に使用して検査を行っております。拡大内視鏡は通常の倍率から100倍までの拡大観察ができます。
ポリープを発見した場合、すぐに倍率を100倍にあげて拡大観察を行いポリープが良性か悪性(がん)かを瞬時に判断します。光量も明るく鮮明な画質で、病変の発見から正確な診断が可能となります。一般的にはポリープを切除後、病理検査の結果が出るまで2週間近く不安な日々を過ごすこととなりますが、院長は病理を勉強した経験から、その場で良性か悪性かの確実な結果をお伝えして安心して頂いています。
しかしながら、拡大内視鏡は太く硬いこともあり、婦人科手術後で腸管に癒着のある方、痩せた体形の女性は内視鏡挿入中に圧迫感を感じ苦痛を伴うことがあります。拡大内視鏡で開始しても挿入の途中で難しいと判断した場合にはすぐに別の細い内視鏡に変更して検査を行います。
苦痛の無い内視鏡検査を行うことは必須条件であり患者様に適合した内視鏡の機種選択を行い痛みの無い、楽な検査を行います。

腸管洗浄液で大腸の中をきれいにしたあと大腸内視鏡を肛門から内視鏡を挿入し、盲腸まで入れていきます。盲腸に到達したら逆にゆっくりと内視鏡を戻しながら大腸の中を丁寧に観察してきます。ポリープなどを発見した場合には内視鏡での倍率をあげ、拡大内視鏡の場合は100倍まで上げて詳しく観察します。内視鏡で切除できる良性のポリープであるのか、初期のがんか、あるいは外科的手術を要する進行した悪性(がん)なのかをその時点で判断します。この判断がとても重要になります。拡大内視鏡を使用しているため確実な診断を行えます。
この診断を行い、内視鏡で切除可能なポリープは、その場で切除治療を行います。最先端の治療器具を使い行いますので以前のような治療後の制限も少なくなっております。内視鏡検査を受けられましたら、その後の検査の必要時期も分かります。
当院では診断から治療、すなわち内視鏡手術が一回の検査で行えます。
大腸がんの早期発見に一番有効で確実な検査が大腸内視鏡検査です。
当院では大腸内視鏡検査でのポリ-プ切除手術は日帰りで行い入院の必要もありません。

S状結腸という曲がりくねった腸管から、下行結腸に挿入されるときに高度な技術を必要とします。
S状結腸をアコーデイオン式(またはジャバラ状)に畳み込んで、曲がりくねった腸管をまっすぐにして、下行結腸に挿入していけば全く苦痛は感じません。ただし、この操作が高度の技術を要するのであり、S状結腸で内視鏡を押し込んでいくような挿入技術では、拷問的な検査になってしまいます。腸管を直線的に挿入していけば、全く苦痛のない検査として終了できます。当院は、苦痛のない検査が出来ていること、また確実な診断を行い、適切な治療を行っていると好評を多数いただいております。満足される内視鏡検査を提供できる自信もあります。

大腸ポリープは、大腸壁の粘膜面より発生してくる病変であり、その粘膜面には知覚神経は存在しません。
そのため、切除の際にも全く痛みを感じる事がありません。痛み無く治療、手術をお受け頂けます。ご安心下さい。

以前に電気メスのように電流を流してポリープを切除していましたため切除した傷口が火傷の状態になり、ダメージを受けた血管などから、帰宅後の2~3日内に出血が0.5%にみられることもあり、ポリープ切除後は3日間から7日間の生活制限が必要とされていました。

当院では2012年4月から10mm以下の良性ポリープは、電気を流さずポリープを切除する方法(コールドポリペクトミー)を行っています。そのため切除後の組織ダメージも、帰宅後の出血もほとんどありません。切除翌日から生活制限もなくなり通常の生活を可能としています。
10mm以下の癌を疑う病変や、陥凹型腫瘍、10mm以上のポリープでは、電気を流して切除する方法(ホットポリペクトミー)が適応となります。ホットポリペクトミーを行った場合の生活制限は、ポリープなどの大きさや形態によって異なりますが3日間~1週間の生活制限が必要となります。

生活制限は以下のような出血を予防する注意事項になります。
・刺激のある食べ物は控える。アルコールは飲まない。
・運動(ゴルフ・ジョギングなど)は控える。
・お風呂は、2~3日間シャワーとしその後の入浴も長湯は避ける。
などを3日間から1週間守っていただきます。
仕事は翌日から可能ですが、重い物を持つような仕事は、1週間は控えていただきます。
デスクワーク程度であることが理想です。

当院では、鎮静剤と鎮痛剤を使用しています。麻酔剤は使用しておりません。
軽くウトウトするレベルの意識状態で大腸内視鏡検査を行います。大腸内視鏡検査では、腸管を伸ばさない技術で挿入すれば、全く痛みは伴いません。

意識がある状態での検査こそが、質の高い検査になります。
大腸は屈曲部が多くあるため、その屈曲部で癌を見逃すことが報告されています。屈曲部を見やすくするためには、患者様の体位を変えることが重要となります。体位をかえたことにより空気の移動が起こり、屈曲部が膨らんで観察がしやすくなります。検査を行う上で癌を見逃さないためにはこのような工夫が必要となります。
さらに、病変を発見した場合に、ポリープの詳しい観察や内視鏡治療を行う上で、腸を静止状態にすることが良い診断・治療につながります。
腸の動きを止めるためには、しばらく息を止めて頂きます。このとき、完全に眠った状態では、患者様の協力が得られません。そのためにも、呼応反応がある状況、覚醒されている状況での内視鏡検査が重要となります。

当院では麻酔剤を使用しておりません。
麻酔剤を使用して寝ている状態での検査は知覚神経も麻痺し、意識がない状態での検査になりますので、腸管を傷つけた場合でも患者様は痛みを感じていないため危険を伴います。完全に眠った状態の検査においては体位変換や息を止めるなどの患者様からの協力も得られません
より良い検査、正確な検査を求めるためには、意識のある状態で、ほどよい鎮静剤投与が、患者様の安全と質を高める検査になります。

眠って検査を行いたいといわれる患者様の要望には、麻酔剤は使用せず、患者様に適した鎮静剤を使用しての、比較的深い眠りの状態での検査を行うことも可能です。