- Q:大腸内視鏡の検査前に2リットルくらいの下剤を飲むと聞いたのですが、副作用はないのですか?
- この下剤は、通常の下剤とは異なり、 腸管洗浄剤といわれるものです。
大腸は、水分の吸収が行われるところですが、 この腸管洗浄剤は食道・胃・小腸・大腸などの消化管で 吸収を受けないような成分でできています。そのため、2リットルという量を 1時間以内で飲んでいただくことで、 消化管の中が洪水のようにして食べたものなど、 ほとんどが肛門より排泄されるのです。この間、トイレに5回程通いますが、 腹痛などは全くありません。ただ、まれに吐き気や嘔吐がみられることがあります。
- Q:大腸内視鏡とは、どのような器械でしょうか?
- 大腸内視鏡は、約10mmの太さで、その長さは肛門から盲腸まで入るように 約1mの軟性の管でできています。内視鏡の先端には、レンズがついており、このレンズで捉えたイメージを家庭用ビデオカメラに使われているものと同様のCCDで捕らえて、このイメージをモニター上に表現しています。内視鏡の管の中には、ポリープを切除する為と、腸管の中に残っている便などを吸引するための約3mmのトンネルが用意されています。また、腸管の中に空気を入れるための送気口やレンズ洗浄のための送水口がついており、これらの機能によって、内視鏡でポリープを発見し、治療までできるのです。
- Q:大腸内視鏡検査は、どのような検査ですか?
- 腸管洗浄液で大腸が綺麗になった状態で、肛門から内視鏡を挿入し、盲腸まで入れていきます。盲腸に到達したらゆっくりと内視鏡を抜きながら観察してきます。 ポリープなどが発見されれば、詳しく観察し、内視鏡で切除できる良性または初期のがんか外科的手術を要する進行した悪性(がん)かをその時点で判断します。 (当クリニックでは拡大内視鏡を使用していますので、この判断が正確に行えます)
この診断を行った後に、内視鏡で切除可能なポリープは、その場で切除治療を行います。
したがって、内視鏡検査は、診断から治療(内視鏡手術)を一回の検査で行えますので、 極めて有意義な検査といえるのです。
- Q:大腸内視鏡検査は大変辛く苦しい検査と聞いていますが、大丈夫ですか?
- S状結腸という曲がりくねった腸管から、下行結腸に挿入されるときに高度な技術を必要とします。
S状結腸をアコーデイオン式(またはジャバラ状)に畳み込んで、曲がりくねった腸管をまっすぐにして、下行結腸に挿入していけば全く苦痛は感じません。ただし、この操作が高度の技術を要するのであり、S状結腸で内視鏡を押し込んでいくような挿入技術では、拷問的な検査になってしまいます。腸管を直線的に挿入していけば、全く苦痛のない検査として終了できます。
当クリニックでは、苦痛のない検査であることと、確実な診断・治療を有している事で定評がありますし、満足される内視鏡検査を提供できる自信があります。
- Q:大腸内視鏡検査でポリープを切除できると聞いていますが、その時の痛みはないのですか?
- 大腸ポリープは、大腸壁の粘膜面より発生してくる病変であり、その粘膜面には知覚神経は存在しません。
そのため、切除の際にも全く痛みを感じる事がありません。ご安心下さい。
- Q:大腸ポリープを切除した後に仕事はいつから出来るのですか?
- ポリープを切除する際には、切除したところから出血しないような電流で 粘膜を焼きながらポリープを切除します。その焼いたところに潰瘍ができます。 その潰瘍の傷口から出血することが約0.5%(国立がんセンターのデータより)にみられますので、ポリープを切除された方は、約1週間は生活規制が必要となります。
以下は、潰瘍に存在する血管が拡張しないための注意事項になります。
- 1)刺激のある食べ物は控える。アルコールは飲まない。
- 2)運動(ゴルフ・ジョギングなど)は控える。
- 3)お風呂は、2~3日間シャワーとしその後の入浴も長湯は避ける。
などを1週間守っていただきます。
仕事は翌日から可能ですが、重い物を持つような仕事は、1週間は控えていただきます。 デスクワーク程度であることが理想です。