大腸内視鏡検査の流れ

1.検査前の準備時間(3日前~前日)

検査3日前より、消化にやさしい低残渣食をお召し上がりください。
きのこ・海藻・種のある果物はお控えいただきます。

前日には、当院より専用の低残渣検査食(朝・昼・夕)をご用意しております。
また、就寝前に腸管洗浄剤をご服用いただきます(医師より個別にご案内)。

水分は十分にお取りください。

2. 検査当日(来院〜検査開始まで)

ご来院後は個室にて検査着へお着替えいただきます。

腸の動きを整えるお薬を服用後、約30分後より
腸管洗浄液を約1時間かけてゆっくりお飲みいただきます。

洗浄液は安全性に配慮されており、強い腹痛を伴うものではありません。

一方で、「洗浄液の服用が負担」と感じられる方もいらっしゃいます。
当院では、そのご負担を軽減する方法として「注入法」もご用意しております。



腸管洗浄液の種類(当院ではマグコロール散・モビプレップ・サルプレップを採用)


3. 前処置〜一日法への流れ

当院では、患者様のご状態やご希望に応じて、3つの前処置方法をご用意しております。

在宅法
ご自宅にて腸管洗浄液をご服用いただき、腸内が十分に整った状態でご来院いただく方法です。
ご自身のペースで準備を進めていただけます。

在宅法
院内法
遠方よりお越しの方や、ご高齢の方などを対象に、クリニック内で前処置を行う方法です。
落ち着いた環境の中、医療スタッフのもとで安心してお過ごしいただけます。

院内法
注入法
胃内視鏡検査と大腸内視鏡検査を同日に実施される方に適用される方法です。
胃内視鏡検査時に、腸管洗浄液500mLと水500mL(計約1.0L)を胃または十二指腸へ直接注入いたします。
ご自身で大量の洗浄液を服用いただく必要がなく、 身体へのご負担を抑えながら腸内環境を整えることが可能です。

注入法

4. 検査中(約15分~30分程度)

内視鏡は肛門より挿入し、盲腸まで丁寧に進めてまいります。検査時間は通常15分〜30分程度です。

大腸は長く複雑な形状をしていますが、当院では腸管を無理に伸ばすことなく、やさしく折りたたむように進めることで、
観察の過程でポリープが認められた場合には、その場で切除(日帰り手術)を行うことが可能です。

切除時の痛みはほとんどありませんので、安心してお任せください。

検査後:回復

ベッドを備えた個室で、30分〜1時間ほどゆっくりお休みいただきます。
看護師が体調を確認しながら対応いたしますので、安心してお過ごしください。

お薬について

血液をサラサラにするお薬(抗凝固薬・抗血小板薬)を服用されている方へ

以前は検査前にお薬を中止していただくこともありましたが、
現在は中止によるリスクも考え、基本的に服用を続けたまま検査を行っております。

ポリープを切除した場合でも、
内視鏡でしっかり止血処置を行いますので、ご安心ください。

検査当日の服薬

検査当日の過ごし方

5. 結果説明とご帰宅

ゆっくりお休み頂いたあと、医師より検査画像をご覧いただきながら、
所見を一つひとつ丁寧にご説明いたします。

ポリープ切除や生検(組織採取)を行った場合には、
病理診断の結果を踏まえ、後日あらためてご案内いたします。

ご帰宅前には、検査後の過ごし方(お食事・運動など)について、
お身体の状態に合わせてご説明いたします。

鎮静剤を使用された場合は、当日のお車・バイク・自転車の運転はお控えください。

ご来院およびご帰宅の際には、
公共交通機関のご利用、またはご送迎の手配をお願いしております。

一日で内視鏡検査 -検査の時間について-

当クリニックでは、痛みを感じにくく、身体への負担が少ない胃・大腸の内視鏡検査を同日に受けていただけます。
お忙しい方にも配慮し、診察から内視鏡検査の実施、結果のご説明までを一日で完結できるスケジュールをご用意しております。
複数回の通院が不要なため、限られた時間の中でもスムーズに受診いただけます。
快適かつ効率よく検査を受けていただける環境を整えておりますので、どうぞ安心してご来院ください。

腸内洗浄に関して

腸内をきれいに整えることは
小さながんや陥凹型がんのように発見が難しい病変を見つけるためにとても重要です。
検査の正確さを高めるための大切な準備となります。

腸の中に便がたまっている状態
腸内に便が残っている状態(図1)

便が残っている場合、
比較的目立つポリープ型の病変は確認できても、
表面がわずかにへこんだ陥凹型がんは、
発見が難しくなります。

腸の中がきれいな状態
腸内がきれいに整えられた状態(図2)

腸内が十分に洗浄されていることで、
粘膜の微細な変化まで観察することが可能となり、
ポリープ型はもちろん、
見逃されやすい陥凹型がんの発見にもつながります。

大腸内視鏡で見つかるがんとは

大腸がんの原因は、いぼ状に隆起した「ポリープ」から発生するものと考えられ、
内視鏡検査においてはポリープの発見と切除が重視されてきました。

最近は陥凹型がんの存在が明らかとなりその発見の重要性が強く認識されています。

陥凹型がんは、極めて発見が困難な病変で、10mm以下の小さな段階でも転移を伴うことがあり、
小さくても進行が早く、臨床的に極めて注意を要するがんとされています。

陥凹型がんは、発見が難しく欧米において「日本人特有の病変」と考えられていました。

院長は1995年、日英共同研究員として渡英の際、英国人患者の陥凹型がんを2例発見しました。これにより陥凹型がんが特定の地域に限られたものではなく、世界的に存在する病変であることが示され『The Lancet』にも報告され、現在では、国際的にも重要な疾患概念として認識され、内視鏡診断の質を左右する極めて重要な対象となっています。

当院では常に陥凹型がんの存在を念頭に置き、高度な観察技術と診断力に基づいた精度の高い内視鏡検査を提供しております。

英国人で初めて発見された陥凹型がんの内視鏡写真

欧米で発見された第一例目の陥凹型がん

英国人で初めて発見された陥凹型がんの内視鏡写真

英国人患者において初めて確認された陥凹型(へこんだ形)の大腸がんの内視鏡像です。
ごくわずかな粘膜の赤みという、繊細な変化に着目することで発見された病変であり、
一般的な観察では見逃される可能性もある重要な所見です。

色素撒布後の陥凹型がん

色素撒布後の同病変

色素撒布後の陥凹型がん

同一病変に色素を用いて観察した内視鏡像です。
色素により粘膜の凹凸がより明瞭となり
陥凹した病変であることがはっきりと確認できます。
病変は内視鏡的に切除され、完全な治癒が得られました。

陥凹型がんの診断 ― 見逃さないために

当院にて発見された、わずか6mmの陥凹型腫瘍(IIc)
ほとんど形として現れない、極めて微細な変化の中に潜む病変です。
このようながんは、便潜血検査で反応しないことも多く、
バリウム検査やCTコロノグラフィーでも発見が困難とされるため
発見には精度を極限まで高めることのできる内視鏡検査が最適です。

当院では、ハイビジョン拡大内視鏡とNBI(特殊光観察)を用い、
徹底して整えられた腸管環境のもとわずかな異変も見逃さない観察を行っております。

日帰り内視鏡手術

S状結腸の大きさ30mmの病変。一部に癌の存在を疑う腫瘍性病変。

他院にて開腹手術を提案された、S状結腸・30mmの腫瘍性病変。
一部に癌の存在が疑われる所見を伴っていました。

NBIや色素、ピオクタニン染色などを施し、100倍に拡大した内視鏡写真

当院では、NBI(狭帯域光観察)に加え、色素散布およびピオクタニン染色を併用し
約100倍の拡大観察を実施。微細構造および血管像を精緻に評価した結果
本病変は粘膜内に限局する早期癌と診断しました。

一般的には、生検による部分診断、入院下での内視鏡治療、あるいは外科的切除が選択される病変です。
当院では、拡大内視鏡により内視鏡切除が可能と判断と日帰り手術を施行しました。
除後は創部を完全に縫合し、日帰りにてご帰宅。術後合併症も認めておりません。



病理結果

内視鏡切除された組織像

切除標本の組織学的検討では、
一部に高分化腺癌を認めるものの、病変は粘膜内にとどまる極めて早期の癌でした。

完全切除が達成されており、追加治療の必要はなく、本病変は治癒と判断されます。

日帰り手術による大腸ポリープ切除について

当院では、患者様の身体的・精神的ご負担を最小限に抑えながら、
精度の高い医療を提供することを目的として、
日帰り手術による大腸ポリープ切除を積極的に行っております。

内視鏡検査・内視鏡診断・ポリ-プ切除手術を一度で完結させる日帰り手術を実現しています。
術後は、当院の個室回復室にてゆっくりお休みいただいた後、医師より結果のご説明を行います。
翌日以降の生活は、切除したポリープの大きさに応じてご案内いたします。

■ 10mm以下のポリープ切除の場合
翌日より通常どおりの生活が可能です。
お食事や日常生活に大きな制限はございません。

■ 10mm以上のポリープ切除の場合
安全性を最優先とし、術後3日〜7日程度、以下の点にご配慮いただきます。
・激しい運動の制限
・飲酒の制限
・刺激物の摂取制限

これにより、術後出血などのリスクを最小限に抑えます。

日帰り手術が選ばれる理由(身体的・精神的負担を最小限に)

多忙なビジネスパーソン、育児や介護を担う方など多忙を極める方にとって、
数日の入院や複数回の通院は、大きな負担となられます。

当院の日帰り内視鏡治療では、
検査中に発見された病変を、その場で切除、入院を必要とせず、その日のうちにご帰宅 治療までの待機時間を抑える
「最短で、最良の医療へ」それを現実のものとする体制です。

検査・治療に伴う苦痛の軽減、入院に伴う環境変化のストレスもない
一度で完結する安心感、これらが、患者様の心理的負担の軽減にもつながります。

処置後は、院内の落ち着いた環境で十分にお休みいただいたのちご帰宅。
翌日以降は、体調に応じて通常の生活へとお戻りいただけます。

早期に切除するという選択

ポリープの段階で切除を行うことは、大腸がんへの進行を未然に防ぐ最も確実な方法です。

小さな病変であっても見逃さず、適切なタイミングで確実に切除する。
その積み重ねこそが、将来の大きなリスクを回避することにつながります。

当院では、精度の高い内視鏡診断と確実な治療により、
患者様の「これからの安心」を支える医療を提供しております。