Japan Polyp Study (JPS)

JPS本試験

Japan polyp study (JPS) とは日本で行われた大規模な無作為化比較試験です。
院長は2000年の研究開始時、国立がんセンター中央病院に勤務しており、JPSの研究班初代班長を務めました。
JPSの目的は、大腸内視鏡検査ですべてのポリープを切除(クリーンコロン)した後、次の検査が1年後、3年後のどちらが適正な検査間隔であるかを明らかにする研究でした。患者対象は、40~69歳、初回の大腸内視鏡検査(1次TCS)ですべてのポリープを切除。癌の見逃しを確認するため、全例を1年後に大腸内視鏡検査(2次TCS)、1年と3年後の2回検査群と3年後だけの1回検査群のランダム割り付けを行い、両群のAN累積発見率から、1年後と3年後のどちらが適正な検査間隔であるかを検証する内容でした。

※ TCS (Total colonoscopy) :全大腸内視鏡検査
※ AN:10mm以上の腺腫、高異型度腺腫、がん腫

2度のTCSによるポリープ切除後の検査間隔は3年後で良いことを証明。

JPSの研究結果は、2020年に国際的医学雑誌GUTに掲載されました。
Advanced Neoplasia (AN) の累積発見頻度は、ポリープをすべて切除(クリーンコロン)した後の2回検査群(1年・3年)は1.7%、1回検査群(3年のみ)は2.1%と両群に有意差はなく、2回TCSでクリーンコロンにした後は、3年後で良いと証明されました。
また、見逃される癌は、発見が難しい平坦な癌が多いことも明らかになりました。

※ AN:10mm以上の腺腫、高度異型腺腫、がん腫